タピルージュ ワインクラブ"20"
2009年1月25日
世界が注目“日本のワイン”

しかし日本でも美味しいワインはたくさんありますし、確かにフランスや他の国のワインとは趣が違いますが、それは個性として、日本らしさとしてポジティブに感じていただけたら、と思いながら今回のお話をしていきました。
確かに日本で造られるワインには華やかさや力強さというような強い印象のものはあまりないかもしれませんが、代わりに優しく包み込むような香りや、するりと口の中を通り抜けていく丸い味わいはそれこそ他の国のワインにはない良さだなあと僕自身も今回改めて実感しました。そのような印象を感じていただければと思い、今回は甲州という白ブドウを中心に味わって頂きました。このブドウは日本では1000年以上栽培されていて、日本では珍しいヨーロッパ系のブドウです(食べるブドウはアメリカ系かその改良品種)。この甲州は主に勝沼で栽培されていて、その多くがワイン用に仕向けられます。そしてこの地で生まれた甲州のワインが海外のワインコンクールで賞を取ったり、輸出されたりと何かと注目を集めています。
軽やかで優しく瑞々しい味わいが特徴の甲州ですが今回は異なるタイプのワインを用意して、またコメントを書く用紙もお渡ししてそれぞれ感じたことを記入して楽しんで頂こうと思いましたが、皆様とても真剣モードで「コレはどんな香りですか?」といった感じで大いに興味を持って取り組んで頂けました。そして料理もワインに合わせて優しい味わいのものをお願いしました、もちろんフランス料理ですが。
まず最初のワイン「グリド甲州」はとても甲州らしい柑橘系の爽やかな香りと優しい酸味、丸い味わいを持ったワインで和食などにもとても合いそうです。このワインに合わせるひと皿は真鯛のフュメと農園野菜のタルタルです。軽くスモークしてハーブとエシャロット、小さく切った野菜と合わせたタルタルの爽やかな味わいとワインの爽やかさがお互いを引き立てていました。
そして2本目のワインは「鳥居平甲州」。このワインは甲州を使っていますが、果汁を濃縮して造っているので1本目に比べてとても濃厚に感じます。トロピカルフルーツのような甘酸っぱい華やかな香りと甘み、そしてそっと全体を支える酸味があるのでバランスも良く飲みやすいです。このワインには少し甘みのある食材をということでボタン海老とホタテのラビオリ仕立てをご用意しました。口の中で重なり合う魚介の甘みとワインの甘み、そして最後に口の中に残る甘い余韻が最高です。
そしてメインディッシュの前に今日のスペシャルワインをご用意しました。勝沼醸造の「アルガ ブランカ イセハラ」です。このワインは甲州で造られたワインですが、ソーヴィニヨンブランを思わせる青い果実や草原、ハーブのような爽やかな香りを持っているのが特徴です。この香りは驚いた事に笛吹市伊勢原(イセハラ)の風間さんの畑から収穫されたブドウが自然に持っていた香りだったのです。大きな石がゴロゴロしている伊勢原の辺りでは粒のそろったキレイなブドウは育たないので多くの方がブドウをあきらめ桃の栽培に切り替えたそうですが、風間さんだけが頑なにブドウを作り続けたそうです。このワインは海外でも高く評価され、年間1万5千本のうち3000本がヨーロッパ、主にフランスに向けて輸出されています。日本でもなかなか手に入らない一品ですし、その強烈な香りにお客様も、そして私たちスタッフも驚嘆しました!!これが甲州?私も久しぶりに飲みましたが、やっぱりスゴイ!驚愕の香りと味でした。
最後のお肉料理に合わせるのは山梨ワインの 「七俵地畑 カベルネソービニヨン2006」です。このワインに限らず日本の赤ワインはとてもなめらかで優しい印象を受けます。カベルネソービニヨンで造られるワインはいわゆるフルボディになるものが多いので、通常でしたら牛肉や仔羊など脂ののったお肉を合わせることが多いですが、このワインはとても優しい印象なので思い切ってウズラのローストをゴボウとレンズ豆を添えてご用意しました。どの料理もご好評頂きまた食事に合うワインとして楽しんで頂けたようです。
ソムリエ 久保田 大介
